もうすぐ春、春になると羊の毛刈りのシーズン!ということで、フィンランドの在来種フィンシープの原毛を紡ぎました。

フィンシープは、ホワイト、グレー、ブラウン、ブラック、またはミックスなど、様々なカラーを持つ羊です。

今回は、ブラックの羊毛を紡いでいきます。
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所々に白っぽい毛が混ざっているのは、今回は使わずに避けていきます。

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こちらがステープル
ステープルとは羊の毛がまとまっている一つの束のことです。
毛足は平均的に8cmくらいですが、短くて紡ぎにくいものも混ざっているので、カーダーをかける前にある程度のゴミ処理と羊毛の整理をしていきます。

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左が処理前(入荷したときの状態)
フィンランド現地の紡績工場で、洗毛された状態です。
少しずつほぐしてふわふわにしていきます。

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今回は、黒い毛のみを紡ぎたいので、白い毛やヘアー状のグレーの毛は分けておきます。(写真左)
また、ほぐしていくと小さい毛の粒がでてきますので、こちらも分けておきます。(写真右)
(毛の粒は、編みぐるみやニードルフェルト、スラブヤーンなどに活躍できるので、捨てません)

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30〜40分程度で12g処理できました。
毛の粒は、12gに対してこのくらい出ました。

次に、ハンドカーダーを使いロービングを作っていきます。

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ハンドカーダーは、マジャクラフト社のものを使用しました。(写真左)


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マジャクラフト社のハンドカーダーは、針1本1本が長く、また密度が高いので、番手の細い羊毛に向いています。

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均一な糸を紡ぐにはゴミ取りとハンドカーダーが一番大事です。
今回は、Fingering(中細)程度の糸を目指すので、ロービングはなるべく薄く、細く巻くことを意識しました。

ただあまり神経質になると紡ぐまでに力尽きて、作業がしんどくなるので、適度に気になる部分だけ取り除きます。
また私は必ず2本以上を撚り合わせて双糸にするため、双糸にしたときには単糸のときより凸凹はほとんど気にならなくなります。

ここでやっと紡毛機の登場です。
今回使用した紡毛機は、マジャクラフト社のローズ
ボビンは180gの糸が乗ります。

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今まで使用していたアシュフォード社のトラディショナル(スコッチテンション) より遥かに静かで、スムーズに紡げます。
また両足踏みで、右利きでも左利きでも調整可能なスピニングヘッドのため、身体への負担も少ない構造です。

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紡いだ時のロスもあり、結果的に一つのボビンに43gずつ単糸が紡げました。

もともと、4本撚りのケーブルヤーンを紡ぐ予定でしたが、編みたいパターンが見つかったので計画を変更して、Fingering(中細) 程度の2本撚りの糸を作ることにします。

羊の毛刈りシーズンが近づいてきて、編み物もしたいが、紡ぎたい気持ちが止まりません〜!